「ChatGPT」「Bing」「Bard」3番勝負-その1[メール編]

文章生成AIとして注目を集める「ChatGPT」「Bing」「Bard」ですが、それぞれの実際の使い勝手はどうか、性能について比較してみます。
まずは、メール文章の作成です。

メールの内容は、何となく送りにくい「お詫び」「お断り」「催促」の3つの中から、
もっとも送りにくい「お詫び」のメールを文章生成AIに作ってもらいましょう。
こうしたメールは、作成中も送信ボタンを押すときも、何となく憂鬱な気分になるものですよね。
そんな憂鬱な気分を軽減するためにこそ、文章生成AIの「ChatGPT」「Bing」「Bard」が活躍するチャンスです。

それぞれがどのようなメールを作成するのかも比較してみます。

お詫びの内容は、「原稿が締め切りに間に合いそうになく、納期が遅れてしまう」というもの。
これが一番多いかもしれませんw すみません。プロンプトもシンプルに上記に加えて、「先方が納得するような理由」と「丁寧な言い方」を付け加えました。では、それぞれにメールの文面を考えてもらいましょう。

プロンプト例
以下のメールの文面を考えて
原稿が締め切りに間に合いそうになく、納期が遅れてしまう。先方が納得するような理由と丁寧な言い方で

Chat GPT編 長文で丁寧だけど、「遅れた理由」が少し言い訳っぽいかも?

まずはChatGPTから

件名: 申し訳ございませんが、原稿の納期について
拝啓、○○様
お世話になっております。私、□□は、先日ご依頼いただいた原稿の執筆に取り組んでおります。
大変申し訳ありませんが、予定よりも時間がかかってしまい、納期に間に合わない状況となってしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。私たちの責任であるにもかかわらず、このような状況に至ってしまったことを重く受け止めております。
しかしながら、遅れた原因につきましては、以下のような理由がございますことをご報告申し上げます。
急な追加情報の提供: いくつかの重要な追加情報が発生し、それらを適切に反映するためには十分な時間を要しました。
綿密な調査と分析: 当初の予定以上に、より詳細な調査と分析を行う必要があり、それには予想以上の時間を要しました。
品質確保のための慎重な作業: 貴重な原稿を納期前に完璧な形で提供するため、より慎重な作業を行う必要がありました。
私たちは、この遅れがお手元にご迷惑をおかけし、先方のスケジュールにも影響を与えてしまったことを深くお詫び申し上げます。
現在、最終段階の校正作業を急ピッチで進めており、近日中には原稿をご提出できる見込みです。しかし、ご希望の納期を大幅に超過してしまうことは避けられない状況でありますことを、ご了承いただけますようお願い申し上げます。
お手数をおかけしまして誠に申し訳ありませんが、もし可能であれば、納期の延長をご検討いただけますと幸いです。私たちは、この遅れを取り戻すため、最善の努力を尽くします。
また、今後このような状況が二度と発生しないよう、より効率的なプロセスを確立する努力を惜しみません。貴重なご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
何卒、ご検討いただけますようお願い申し上げます。
敬具

Chat GPTより

本文は800字ほどありました。途中で止まってしまったので、「続けて」と依頼して完成したものです。
遅れそうな理由の部分で「急な追加情報の提供」は、なかなか想像力豊かではありますが、相手のせいにしている感じもしてちょっと使いにくいかもです。

こうしたお詫びのメールの文面は、もちろん相手との関係性次第だとは思いますが、付き合いの浅いクライアントに対してであれば、
メールの下書きとしては70点以上ではないでしょうか。

Bard編 簡潔かつ明瞭で、新たな納品日を提案している点が好印象

続いてはGoogleのAI「Bard」です。Bardは、回答が3つ以上選択できることはすでに述べた通りですが、Chat GPTと公平に比較するため、ここでは1つだけ紹介します。

拝啓
いつもお世話になっております。
株式会社○○の○○です。
先日ご依頼いただいた原稿について、ご連絡を差し上げます。
このたび、原稿の納期が遅れてしまうことになりました。
大変申し訳ございません。
原稿は現在、執筆中ですが、予想以上に時間がかかっており、納期に間に合いそうにありません。
その理由は、以下のとおりです。
原稿のテーマが複雑で、十分な調査が必要となったため。
原稿の文字量が多く、想定以上に時間がかかっているため。
原稿の執筆と並行して、他の業務も抱えており、時間を割きにくい状況となっているため。
誠に申し訳ございませんが、納期を○月○日(○曜日)まで延長していただけないでしょうか。
ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具

Bardより

本文の文字数は300字強と、ChatGPTの半分くらいです。
メールの内容はChatGPTほど固くはなく個人的にはこのくらいのカジュアルさ? のほうが好みだったりします。
最も良かったのは、新たな納品日を伝えている点。これはけっこう重要だったりします。

理由の3番目「原稿の執筆と並行して、他の業務も抱えており」のところは、
原稿が遅れる理由としてありがちですが、気分を害するクライアントもいるかもしれないので、注意が必要ですね。

ちなみに、採用しなかった他の2つの回答には、「体調不良」を理由に挙げていました。嘘をつくのは少し心苦しいので個人的には避けたいところです。

お詫びメールの下書きとしては、85点くらい。個人的には気に入りました。

Bing編 「誠意を持って謝罪せよ」by:Bing と、まず説教されてイラっ

最後はMicrosoftのBingです。「創造的」「バランスよく」「厳密に」という3つのタイプの回答を出力できますが、ここでは「バランスよく」選択しました。

こんにちは。原稿の締め切りに間に合わない場合のメールの書き方についてお伝えします。
まず、先方に対して誠意を持って謝罪することが大切です。また、遅れた理由を明確に伝えることも必要です。ただし、言い訳は避け、事実を正直に伝えるようにしましょう。以下は一例です。

件名:原稿の納期遅延について
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 さて、この度は弊社の原稿の納期につきまして、大変ご迷惑をおかけしてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。原稿の執筆作業が予定よりも時間がかかっており、納期に間に合わない状況となってしまいました。先方様には大変ご迷惑をおかけしてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。今後はこのようなことがないよう、改めて体制を見直して参ります。

以上です。ご参考になれば幸いです。

Bingより

本文は200字弱とBardよりもさらに短く、簡潔です。
余計な言い訳もない点は○ですが、Bardの回答を見たあとだと、
やはり新たな納品日について触れていないのは、×ですね。

ちなみに、採用しなかった「創造的」ではBardと同様に遅れた理由が「体調不良のため」となっていました。
「厳密」のほうは、「遅れの原因としては、〇〇〇〇があります。」と、自分で入力せよとの指示でした。

本当に好みの問題でしかありませんが、お詫びメールの下書きとしては65点くらい。個人的には採用しないと思います。
BingはChat GPTと同じ「GPT」のエンジンを使いつつ、バージョンも4.0と高いにも関わらず、
出力内容がビジネスライク過ぎて、個人的にはあまり好みではないなと感じました。

何より、メールの例に入る前にビジネスマナー的な説教が入っていますが、これは大きなお世話。正直イラッとしました。

さてさて、皆さんはどう感じたでしょう?

結論としては、AIに「遅れた理由」まで考えてもらうのは、よくないってことですかね。言い訳せずにきちんと事実を伝えることは確かに大切です。その点ではBingは確かに正しいです。

まあ、一番大切なのは納期に送れないことですけどねw

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